伊勢うどん
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伊勢うどん(いせうどん)は、三重県伊勢市を中心に食べられるうどん料理。また、それに使用する麺類の地域団体商標。
かけうどん(素うどん)のように多量のツユに浸ったものではない。たまり醤油に鰹節やいりこ、昆布等の出汁を加えた、黒く濃厚なつゆ(タレ)を、太い麺に絡めて食べるものが主流。それぞれの店が独特のだしを用いる。太い麺は長時間かけて柔らかくゆで上げられており、具やトッピングが少なく、薬味の刻みネギだけで食べることが多い。
伊勢うどん大好き倶楽部(今夜も我が家の定番になったみなみ製麺さん) pic.twitter.com/rh6eHs7yiV
— おりえ (@orie13a) March 25, 2022
タレはたまり醤油を用いており、色(そばつゆとは別物)は非常に濃く見た目は塩辛そうだが、外見程の塩分はなく概して旨味と甘みが強く、後味がまろやかである。この濃いタレの色は、たまり醤油の色である。
麺は極太で、直径1cm前後のものが多い。非常に柔らかく、もちもちしており、一般的なうどんとはかけ離れた食感を持つ。そのため、博多うどんのように、柔らかいうどんが好まれる地域の人には受け入れられやすいが、讃岐うどん、五島うどんのような「コシが大事」という考え方の人には好かれない。極太麺であるために、麺を茹でる時間が非常に長く、通常のうどんが15分程度であるのに対して1時間弱ほど茹でる。店や料理人ごとに手法は異なる場合もあるが、それぞれが伊勢うどんの特徴である、表面はふんわりとしていて、中はもちっとした麺の食感を出すべく工夫している。
伊勢うどんは、ゆで続けているため、すぐに提供できること、また汁がないためすぐに食べ終わることができることから、お伊勢参りで混み合う客を次々さばくのにも適したメニューともなっている。
具は刻みネギだけか、好みで生卵をトッピングするだけという店が多いが、天ぷらやめひびを載せたものを出す店も珍しくはない。
地元の人は刻みネギに伊勢かまぼこといったトッピングで食べることもある。また、店によっては、タレではなく一般的なかけうどんのようなつゆで提供する事もあり、数少ないが、焼きうどんを提供する店も存在する。
伊勢うどんのルーツは、江戸時代以前からこの地の農民が食べていた地味噌のたまりをつけたうどんを食べやすく改良したものといわれる。もともと農民が作っていたことから、できるだけ手間がかからず延ばす必要のない太い麺と、また安く済むネギだけの具といううどんが形作られたのではないかと考える人もいるが、実際には米などの粒食が日常の食事であったのに対して、小麦を粉に挽いて作るうどんは祭りの時に手間をかけて作る、ハレの日の食事であり、最高のごちそうと考えられていた。
名称
「伊勢うどん」という名称は昭和40年代(1960年代中期以降)に使われ出したとされる。地元の家庭では特に他地域のうどんと違う点があると意識されることのない料理の一つで、それまでは単に「うどん」と呼ばれ、店では「並うどん」や「素うどん」と呼ばれていた。伊勢市麺類飲食業組合は1972年に「伊勢うどん」と呼ぶことに決め、組合員向けの献立表に記載した。
その命名のきっかけには、永六輔が当地で単に「うどん」として供されていたものを「伊勢うどん」として、メディアにおいて紹介したことがあったとされる。
2008年には、松阪市に本部を持つ三重県製麺協同組合が申請した「伊勢うどん」が地域団体商標に登録された。三重の名物として土産用の麺の味を守るのが目的で、伊勢市の飲食店の営業に影響するものではないという。
伊勢うどんは江戸時代初期に農民が地味噌のたまり醤油をうどんにかけたのが始まり‼️
— さすらいの旅人・全国各地孤独のグルメ (@ractom9990) March 24, 2022
(三重県伊勢市宇治中之切町)
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参考